FXの相場分析レポート|2022年2月28日(月)

ロシアとウクライナの停戦に向けた協議の準備が進められています。
プーチン大統領の「核戦力を含む核抑止部隊を高度の警戒態勢に置くよう軍司令部に命じる」などの行動は、恐らく欧米諸国の想定を超えており、緊張が高まっています。
今回の会談で何とか決着をつけて欲しいと強く願います。

それでは先週(2月21日~2月25日)のドル円相場の動きを振り返ってみましょう。

目次

ドル円相場の振り返りと今週の展望−ファンダメンタルズ分析

22日はウクライナの親ロシア地域であるルガンスク人民共和国とドネツク人民共和国が、ロシアに独立を認めるように要請し、プーチン大統領は承認しました。

23日には、「平和維持」のためにロシア軍を両地域に派遣するよう命じました。
これに対し、欧米諸国は経済制裁を発表しています。
しかし、制裁は比較的弱いものであり、市場のリスク回避の動きは和らぎました。

24日プーチン大統領が「特別な軍事行動を開始することにする」と発言し、相場は大きく動きました。
売りが強かったのはNZ、オージー、ユーロで、買いが強かったのは円、次いでドル、フランです。
大きく下げた後は有事のドル買いとなり、ドル円は暴騰、1円以上の上げ幅を記録しました。
その後、各国の制裁が出揃い、市場もリスクを十分に織り込んだと判断され、主要通貨にも強い買戻しが入っています。

25日にはロシア軍がウクライナ首都キエフを目指し攻撃するなど攻撃がエスカレートしています。

26日には欧州連合とアメリカはSWIFT(国際銀行間通信協会)からロシアを排除する追加制裁を発表しました。
また、紛争地域に対して武器の提供に慎重な姿勢を示していたドイツも、武器の供与を決定しました。

この決定にロシアは核戦力を含む核抑止部隊を高度の警戒態勢に置くよう軍司令部に命じました。
これで何時でも核武器が打てる状態となります。
しかし、その数時間後にロシアとウクライナの停戦交渉の会談が決定しました。

また、米国の利上げペースに関しては、先週も各銀行の総裁からタカ派的な発言も出ていますが、ウクライナ情勢の悪化、ロシアへの制裁の影響から、引き下げ方向に波及しそうです。

「今週の重要指標・発言」

日付イベント
2月28日豪州 1月 小売売上高 [前月比]
3月1日豪州 豪準備銀行(中央銀行)、政策金利発表
3月1日カナダ 12月 月次国内総生産(GDP) [前月比]
3月1日アメリカ 2月 ISM製造業景況指数
3月2日アメリカ 2月 ADP雇用統計 [前月比]
3月2日アメリカ セントルイス連銀総裁の発言
3月2日カナダ カナダ銀行 政策金利
3月2日アメリカ パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、発言
3月3日豪州 1月 貿易収支
3月3日アメリカ 2月 ISM非製造業景況指数(総合)
3月3日パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、発言
3月4日欧州連合 1月 小売売上高 [前月比]
3月4日アメリカ 2月 非農業部門雇用者数変化 [前月比]

ドル円相場分析−テクニカル分析−

本日は下記の分析を中心にドル円を分析していきます。

・移動平均線を使用した環境認識
・ボリンジャーバンドを使用した環境認識

移動平均線を使用した環境認識

ドル円日足チャートです。
赤い移動平均線は日足の20SMA、が週足の20SMA、が月足の20SMAとなっています。

現在は日足の20SMAを跨いで推移していますので、日足はレンジ相場と判断できます。
そして週足20SMAはサポートとして機能しており、右肩上がりに推移していることからも、上昇トレンドと判断できます。

上値は116.330円で二度頭を抑えられており、下値は週足移動平均線橙色の支持線でサポートされていますので、どちらか抜けた方に仕掛けていきたいと思います。

また、オシレーターを見るとダイバージェンスを示しており、こちらもエネルギーが溜まっている事が確認できます。

ボリンジャーバンドを使用した環境認識

ドル円月足チャートです。

現在のローソク足はボリンジャーバンドの1σと2σ間を推移しており『バンドウォーク』と呼ばれる状態です。
この場合、10EMA(赤色移動平均線)がサポートして機能することが多いので注視していきます。
また、バンドウォーク中なので長期目線は上で固定します。

青線はチャート左に見えるヘッド&ショルダーのネックラインに引いています。

本日のトレード方針

本日は様子見です。

理由は以下の通りです。

・主要通貨で大きな窓が開いている
・既に乱高下しておりテクニカルが機能しづらい局面である
・ニュースで一方的な動きになる可能性がある
・ブレイクアウトを狙うにもスプレッドの拡大リスクがある

チャートを監視できる方は、何らかのニュース発表によって節目を抜けたらトレンドに乗るという戦略が良いと思います。

直近の平均値変動幅

ADRとは、1日の平均的な価格変動幅のことです。
1日の高値から安値までの値幅は、この近辺に収まることが多いです。
材料が少ないときにより意識されやすくなります。

【ドル円】

ADR20=65
ADR10=63
ADR5=66

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