FX依存症とは?家庭崩壊にまで至る事例や克服方法を解説

ポジションを持ってないとそわそわする

今日負けた分を早く取り返さなきゃ!

「FX依存症」という言葉を聞いて心当たりのある方も多いのではないでしょうか?

結論から言うと、多くの初心者トレーダーがすでにFX依存症になってしまっている可能性があります。

FX依存症の状態ではFXで長期的に利益を出していくのが難しいどころか、破産してしまう確率を高めることになってしまいます。

この記事では以下の2つについて解説していきます。

  • 日本が抱える大きな問題|ギャンブル依存症とは?
  • FX依存症は治療するには2つの「管理」を徹底せよ

この記事を読めば、FX依存症から脱却する方法について理解することができます。

動画での解説はコチラ

この記事の監修者

猪首 秀明(いくび ひであき)

1964年生。京都府京都市出身。

☑ 1983~2012年 ひまわり証券株式会社  取締役営業本部長
☑ 2012~2016年 東岳証券株式会社    代表取締役社長
☑ 2022年5月~  WikiFX Japan株式会社 顧問

1998年の外為法改正に伴い、ひまわり証券時代に日本初となる外国為替証拠金取引(FX)を商品化させ、その普及に貢献する。

現在は複数のFX関連企業の顧問を兼任。
延べ3000人を超える個人投資家と接した経験から、個人向けの金融トレード運用アドバイザーとしても活動中。

目次

日本が抱える大きな問題|ギャンブル依存症とは?

ギャンブル依存症とは1970年代にWHOによって正式に認められた病気です。

依存症対策全国センターによるとギャンブル依存症には以下のような特徴があるとされています。

ギャンブル依存症の特徴
  • ギャンブルで勝ったときの興奮を追い求めて、賭け金の額がどんどん増えてしまう
  • ギャンブルを途中で中断したり、中止したりすると落ち着かなくなったり、イライラしてしまう
  • ギャンブルをやめようと努力したことがある
  • ふとギャンブルのことが頭をよぎる
  • つらい気分を紛らわすためにギャンブルをする
  • ギャンブルで負けたお金をギャンブルで取り戻そうとして、またギャンブルに戻ってしまう
  • ギャンブルにはまっていることを隠すために嘘をつく
  • ギャンブルで大切な人間関係を失ったことがある
  • ギャンブルで借金をつくり、誰かに金を無心した

依存症対策全国センター

上の特徴からわかるように、ギャンブル依存症では他の依存症と同様に辞めようと思っていても辞めることができず、ギャンブルで失ったお金をギャンブルで取り返そうとする負の連鎖に陥ってしまいます。

調査対象国報告年対象数ギャンブル等依存が疑われる者の割合
日本2017年4,6853.6%
フランス2011年5291.2%
ドイツ2009年10,0010.2%
スイス2008年2,8031.1%
オランダ2006年5,5751.9%
カナダ2005年4,6030.9%
イタリア2004年1,0930.4%
オーストラリア2001年276,7772.0%
https://kurihama.hosp.go.jp/about/pdf/info_20171004.pdf

上の表は生涯のギャンブル経験を元に、ギャンブル依存症が疑われる者の割合を国別に示したものです。

この表によると、日本は公営賭博以外のギャンブルを禁止している国にも関わらず、他の国に比べてギャンブル依存症になっている者の割合が高いことがわかります。

猪首顧問からのアドバイス

こんなデータもあります。

日本のギャンブルと主要国のカジノ収益を表にすると、以下のようになります。

国・地域ギャンブルの種類収益
日本パチンコ・パチスロ19.1兆円
日本中央競馬2.4兆円
日本競艇0.9兆円
日本競輪0.6兆円
アメリカカジノ6.2兆円
マカオ・中国カジノ4.5兆円
シンガポールカジノ0.9兆円

「日本は公営賭博以外のギャンブルを禁止」が公の原則でありますが、実際にはパチンコ(パチスロを含む)というギャンブルが存在する賭博の好きな国なのです。

世界の多くの国では、カジノ等のギャンブルができる場所は、限られたリゾート地等にあるホテルなどに限られています。一方で日本では身近な生活のど真ん中、最寄りの駅前のほとんどでギャンブルが可能なのです。

猪首 秀明

私事ですが、ドイツからの客人を新宿で接待した後、彼らのリクエストはパチンコをしたい!というものでした(笑)

彼らにとっては、日常の生活のど真ん中でギャンブルができることが不思議なようですし、それがエキサイティングなことなのでしょう。

日本という国は、もしかしたら一番身近にギャンブルができる機会がある国なのかもしれません。

FXも依存症になり得る

FXは一歩間違えれば、一気にギャンブル性が高まってしまう性質を持っていることからも、ギャンブル依存症と同様の症状が発生することがあります。

FX依存症になってしまった場合、以下のような行動が見られます。

  • 負けを取り返すために、さらに大きなロットでエントリーする
  • ポジションを持っていないとそわそわとし、無闇にエントリーしてしまう
  • 大切な生活費をFXの証拠金として入金してしまう

公営賭博などのギャンブルとは異なり、FXは他人から心配されたとしても

資産運用だから問題ない

と本人が依存症を認めたがらないという特徴を持っています。

また、FXは「平日24時間の取引が可能」であり、インターネットが繋がってさえいれば「どこからでも参加が可能」なことから、公営賭博よりもハマり込んでしまう可能性が高いです。

FX依存症が原因で逮捕されてしまった実例

伊藤忠元社員を逮捕 FX取引に数億円流用の疑い

伊藤忠商事から関連会社に出向中に資金数億円を着服した疑いが強まったとして、警視庁捜査2課は6日、伊藤忠元社員の30代の男を業務上横領容疑で逮捕した。伊藤忠は3月、約7億円を私的な外国為替証拠金(FX)取引に流用したとして元社員を懲戒解雇し、捜査2課に同容疑で告発していた。

・・・(中略)・・・

社内監査が迫った今年2月、元社員が自ら不正を申告。会社の調査に対し「自己資金でやっていたFXに損失が出て、穴埋めをするために会社の資金を使った」と説明したという。

FX取引は業者に預けた「証拠金」の何倍もの外貨を売買できる。倍率が高いほど高収益を得られる可能性がある半面、リスクも大きい。金融庁は倍率を25倍までに制限しているが、元社員は海外業者を利用して数百倍の取引をしていた。

伊藤忠は3月に元社員を懲戒解雇したうえ弁済を求めたが、7億円はほとんど残っていなかったという。

日本経済新聞 2014年7月6日

これは個人的に行っていたFXでの損失を補填するために、会社の資金を横領していたとして逮捕された事例です。

負けていた分を使ってはいけない資金を利用してまで、取り返そうとした行動には明らかにFX依存症の特徴が現れているといえます。

FX依存症が原因で家庭崩壊に至った実例

夫が、いままで子供のために貯金していた800万円をFXですべてとかしました。

それに加えて金融会社からも借金しており、かなり困っています。

子供も生まれて、とにかくFXをやめてくれないかと頼んでいますが聞いてくれません。

夫は負けず嫌いな性格なので、いままでの損失をなんとか取り戻そうとしています。

私もFXに詳しくないので、あまり細かい事はいえませんが投資方法に問題があるのかずっと負け続けています。

このままじゃ生活が苦しくなっていく一方で、離婚を考えています。

子供がこれから大きくなっていくので、学費等貯めていかなきゃいけないのに聞く耳も持ってくれません。

夫の両親に言いつけてやろうか迷いましたが、夫の投資を許してしまった私にも責任があると思いやめました。

でもこのままだと絶対に破綻します。今年中に目を覚ましてくれなかったら離婚する予定です。

https://www.trgy.co.jp/media/fx-toha/fx-shippai/rikon-kuchikomi-taikendan

こちらはFXのせいで子供の養育費である800万円を全て使い切るどころか、借金までして投資資金を捻出しているような状態です。

負け分を借金をしてまで取り返そうとする思考は、FXにおいては最悪の状態といえます。

猪首顧問からのアドバイス

上記の例はどちらも嘆かわしいことですが、現実にありえることです。

あえて読者の方々の非難と反論を覚悟で綴りますが、FXトレードとは、ギャンブルと表裏一体、側面の部分があるということを理解(自覚)し認める(理解)ことが重要です。

猪首 秀明

トレードもギャンブルも、「将来起こるであろう誰にも予測できない結果に対して賭ける行為」という点では同じです。

「トレードは経済行為だから…」
「FXは投資活動だから…」

このような屁理屈をこねるより「結果においては、FXはギャンブルと同じである」と割り切って考えた方が勝ち組に近くなれる…私の経験上ではそのように思います。

FX依存症を治療するには2つの「管理」を徹底せよ

ここまでFX依存症についての概要を解説してきましたが、FX依存症を治療することは可能なのでしょうか?

そもそもギャンブル依存症は薬物による治療法が確立しておらず、現段階では心理療法が効果的とされています。

したがってギャンブル依存症としてFX依存症を治療するには、ギャンブル依存症の自助グループを活用したりすることが現段階の最良の方法と考えられています。

ではトレーディングを通してFX依存症の状態から、再び継続的に勝てるトレーダーになるためにはどのようなことをすれば良いのでしょうか?

FX依存症の状態では勝てない

まず、FX依存症の状態ではFXで利益を出し続けることはほぼ不可能と言えます。

FX依存症の状態にあるトレーダーは、FXにギャンブルのような感覚で取り組んでおり、資金がショートするのも時間の問題です。

したがって、FX依存症の傾向があるひとは一刻も早くFXに対する考え方を改める必要があります。

特に以下の2つの要素は、FX依存症を改善することに役立つだけではなく、FXで資産を形成していくために必要なものになります。

  • 資金管理
  • メンタル管理

それでは見ていきましょう。

資金管理

FX依存症を克服するために、まずは資金管理を徹底しましょう。

FXで資産を形成していく上では、資金管理法はトレード手法よりも重要性が高いと言っても良いほど、資金管理には気を配るべきです。

FXでは様々な資金管理法が考案されてきましたが、複利を意識した資金管理がもっとも合理的だと考えられます。

つまり、リスク額を定額にするのではなく、定率に設定することで効率的に資産を形成することができます。

ここでは複利を利用した資金管理法である、逆マーチンゲール法について解説していきます。

マーチンゲール法はかつて聖杯として知られていた資金管理法であり、トレード以外にもギャンブルの場でも使用されてきました。

結局、マーチンゲール法には「無限の資金力がある」という前提を元に成り立っているので、現在では破産を早めてしまう悪手として知られています。

マーチンゲール法は以下のような方法で資金管理を行います。

マーチンゲール法による資金管理

100万円の口座資金を運用していきます。

最初のトレードでは、リスク額を2万円とします。

最初のトレードで負けてしまった場合、次のトレードではリスク額を4万円にします。

最初のトレードで勝った場合でもリスク額は固定し、2万円のままにします。

例えば最初のトレードの資金率は

2万円÷100万円×100=2%

よって2%です。

もしこのトレードで負けてしまった場合、次のトレードの資金率は

4万円÷98万円×100≒4%

よって4%になります。

このように、負けトレードのあとは前回の負け額の2倍のリスクをとってかけ続けることにより、理論上負けないというのがマーチンゲール法です。

ここで注目するべきなのは、負ければ負けるほどトレードの資金率が高くなっていき、破産へのスピードを加速させていることです。

これがマーチンゲール法の資金管理の概要です。

ではここで、今回オススメの資金管理法として提唱する逆マーチンゲール法を説明していきます。

逆マーチンゲール法とは一言でいえば、連勝時にはトレード枚数を増やし、連敗時にはトレード枚数を減らしていくという手法です。

逆マーチンゲール法による資金管理

100万円の口座資金を運用していきます。

全てのトレードの資金率を2%に固定します。

つまり、勝っても負けてもリスク額は口座資金の2%です。

例えば最初のトレードのリスク額は

100万円×2%=2万円

もしこのトレードで負けてしまった場合、次のトレードのリスク額は

98万円×2%=1万9,600円

一方で最初のトレードで勝った場合、次のトレードのリスク額は

102万円×2%=2万400円

このように、勝てば複利的に資産が増えていくのが逆マーチンゲール法による資産管理法の特徴になります。

損失率損失を取り戻すのに必要な利益率
10%11%
30%43%
50%100%

また負ければ負けるほど、資産を回復させるのが難しくなっていくのも逆マーチンゲール法の特徴ともいえます。

しかし、このデメリットとも取れる特徴は逆マーチンゲール法が最も安全な資金管理法とされる所以になっています。

なぜなら、手法が相場と一致していない期間のドローダウンを最小限に抑えてくれるからです。

もしマーチンゲール法で連敗した場合、リスク額は2万円、4万円、8万円、16万円と増加していくことになります。

しかし逆マーチンゲール法で連敗した場合、リスク額は2万円、1万9,600円、1万9,208円、1万8,823円と減少していくことになります。

したがって、長く相場に生き残ることにかなり特化した資金管理法といえるでしょう。

メンタル管理

FXに必要なマインドを習得することも、FX依存症を克服するために必要なことになります。

FXに必要なマインドを常に持ちながらトレードに臨むことをメンタル管理といい、資金管理と並んで重要な要素です。

FXで大切なメンタル管理には以下のようなものが挙げられます。

  • 自らの規則に忠実なトレードを行う
  • 損切りをすることを失敗と思わない

歴史上の伝説のトレーダーは以下のような名言を残しています。

損失は、それを出してしまったあとは自分を苦しめたりしない。私は一晩寝たら忘れてしまう。しかし、過ちを犯し、損切りをしないというのは、財布と心身にとって実にダメージになる

ジェシー・リバモア

これは伝説の投機家として知られるジェシー・リバモアによる名言ですが、FXにおいて損切りを行うことがメンタル管理上大切であることを示唆しています。

以下の記事では他にもFXで大切なメンタル管理についての名言を取り扱っているので、ご参照ください。

まとめ:FXは依存症になりやすいが、治療は可能

ここまでFX依存症について解説してきました。

この記事のポイントは以下の通りです。

  • FXのギャンブル的な側面は依存症を引き起こす可能性がある
  • 依存症の状態でFXで勝つのは不可能
  • FX依存症を治療するには「資金管理」と「メンタル管理」を徹底する

FXで長期的に資産を形成していくためには、まず相場に生き残ることが大切です。

なぜなら、相場に生き残っていれば利益をもたらしてくれるような機会に巡り合う確率が高くなるからです。

FX依存症の状態になってしまうと、相場での寿命を減らすような行動ばかりをとってしまうことがあります。

したがって、FX依存症に陥る前に資金管理やメンタル管理を徹底する姿勢を確立するようにしましょう。

猪首顧問からのアドバイス

総括・・・・とは言いませんが。

「FX依存症=ギャンブル依存症」

まったく同じ病気です。病気なのですから、治療は絶対必要です。

FXは経済行為(投資活動)だから良
ギャンブルは遊好行為だから悪

って考えてしまうから、FX依存症の方が気づきが遅くなる傾向があると思われます。

猪首 秀明

今回の記事をきっかけに、自身のアクションに依存症の兆候があれば、今一度、自覚の勇気を持つマインドのリセットをお薦めします。

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この記事を書いた人

早稲田大学法学部を卒業後、FXでトレードを続けながらFX専門のWebライターとして活動。
海外滞在を通して身につけた英語力を武器に、英文献を用いた多角的な記事の執筆が得意。

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