FXはギャンブルってホント!?やってはいけないトレード7選

FXでなかなか利益が出ない…
FXはギャンブルと一緒なのだろうか?

FXの取引をされている方の中には、このように思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

結論から先に申し上げますと、FXはギャンブルではありません。

たしかにFXには投機的な側面がありますが、投機であったとしても決してギャンブルではありません。問題の多くはトレードのやり方にあります。

つまり、トレードのやり方ひとつでFXがギャンブルになってしまうということです。

そこでここではFXがギャンブルではない理由を解説するとともに、やってはいけないギャンブルトレードについても見ていきます。

現在FXに取り組んでいる方、もしくはこれからFXを始める方はぜひ参考にしてみてください。

動画での解説はコチラ

この記事の監修者

猪首 秀明(いくび ひであき)

1964年生。京都府京都市出身。

☑ 1983~2012年 ひまわり証券株式会社  取締役営業本部長
☑ 2012~2016年 東岳証券株式会社    代表取締役社長
☑ 2022年5月~  WikiFX Japan株式会社 顧問

1998年の外為法改正に伴い、ひまわり証券時代に日本初となる外国為替証拠金取引(FX)を商品化させ、その普及に貢献する。

現在は複数のFX関連企業の顧問を兼任。
延べ3000人を超える個人投資家と接した経験から、個人向けの金融トレード運用アドバイザーとしても活動中。

目次

FXがギャンブルではない理由

FXは相場の変動を利用して短期間で利益を確定させる性質がありますので、投機とされるのはわからなくもありません。

しかし、FXは決してギャンブルではありません。その理由を解説していきます。

FXに管理者はいない

まずFXがギャンブルと決定的に違う点が、FXには管理者が存在しないことです。

管理者とはギャンブルでいうところの胴元のこと。競馬・宝くじ・カジノ・パチンコなど、どのギャンブルにも管理者としての胴元が存在します。

胴元がルールを決め、資金を集め、資金を再分配しているのがギャンブルです。もちろん胴元としての取り分がしっかり入る仕組みになっています。

しかしFXには胴元のような管理者はいません。FX業者はあくまでも顧客と市場との橋渡し役。

FX業者の基本的な収入源は売買の手数料やスプレッドであり、顧客が儲かっても損してもFX業者の収益には関係ない構造になっています。

当然、FX業者が価格操作をすることはありえません。相場を動かしているのはあくまでも世界中の市場参加者。

つまりFXは、管理者が全てをコントロールしているギャンブルとは構造上全く別のものであると言えるのです。

還元率と期待値について

FXがギャンブルではない理由は還元率と期待値からも説明がつきます。

還元率とは、ギャンブルで賭けられた金額の総額から胴元の手数料を差し引いた上で、プレイヤーに還元する金額の割合のことです。

法律で認められている公営ギャンブルについては還元率が公表されており、詳細は以下の通りになります。

ギャンブルの種類還元率
宝くじ45.7%
競艇74.8%
競輪75.0%
オートレース74.8%
競馬74.1%
引用元:総務省:宝くじ・公営競技・サッカーくじの実行還元率

たとえば宝くじを1,000円買ったしたら『1,000×45.7%=457』となり、平均457円のリターンが得られるということ。

そしてこの得られるリターンの数値を期待値といい、還元率からも分かる通り、期待値が全てマイナスになるのがギャンブルです。

その点FXは違います。

まず還元率に関してはほぼ100%。FX業者によってスプレッドや手数料に多少の違いがありますが、一般的には99.5%と言われています。

次に期待値についてですが、FXの場合は胴元のような管理者がいませんので、期待値は人それぞれで変わってきます。

ちなみにFXの期待値の計算式は以下の通り。

FXの期待値

(勝ちトレードの平均利益×勝率)-(負けトレードの平均損失×負率)

つまりFXは、期待値が最初からマイナスのギャンブルと違って、自分のトレード次第で期待値をプラスにするのが可能だということです。

この点がFXとギャンブルの大きな違いと言えるでしょう。

ギャンブルにするかどうかは自分次第

世の中の投資、もしくは投機と呼ばれるものは、究極のところ価格が上がるのか下がるのかを予測するものです。

したがって、そこにギャンブル性が入り込んでくる可能性はゼロではありません。

ただ株式投資や不動産投資などに代表される投資の多くは、投資先の将来性を見越して長期的な利益を得ようとするのが一般的です。

そこにギャンブル性が入り込む余地は少ないと言えるでしょう。

それに比べて、どちらかというと短期的な売買がメインのFXでは、やり方によってはギャンブル性が色濃く出てしまいます。

しかし、前述したようにFXの場合はギャンブルと違って期待値をプラスにすることが可能です。トレードスキルを磨き、勝率を上げれば期待値はアップするでしょう。

つまり、FXを投資や投機にするのか、それとも上がるか下がるかの1/2のギャンブルにするかは自分次第ということです。

やってはいけないギャンブルトレード7選

FXとギャンブルは全く違うものですが、やり方によってはギャンブルと変わらない期待値の低いトレードになってしまいます。

ここからは絶対にやってはいけないギャンブルトレードについて見ていきましょう。

損切りしない

FXのトレードにおいて損切りは重要な要素です。

含み損を抱え続けることは、より損失の規模を大きくしてしまう可能性があります。いつかプラスになるだろうと希望的観測のみで含み損を抱え続けるのはギャンブルと同じです。

たしかに世の中には損切りを一切しないことを推奨するトレード手法も存在します。

為替相場はある一定の値幅で価格が上下する傾向がありますので、たとえ自分の思惑と逆行した動きがあったとしても、耐えていればまた戻ってくるという言い分は理解できなくもありません。

しかしそれが通用するのは、際限なくトレードに資金をつぎ込める大富豪のみ。トレーダーの多くは資金に限りがあるものです。

含み損が増えると強制ロスカットによって、相場から退場させられることも起こり得ます。今ままで積み重ねてきた利益が全て水の泡になってしまうわけです。

したがって、より期待値の高いトレードをするためには損切りをしっかり行うことが必要になります。

特にFXを始めて間もない初心者ほど、ストップをしっかり設定するようにしましょう。

リスクリワードが不明確なトレード

リスクリワードとは、1回のトレードにおける損失と利益の比率のことです。

このリスクリワードが不明確であったり、比率がおかしいとトレードの期待値は大きく下がります。

たとえば、狙っている利幅が30pipsで、損切り幅が50pipsのトレードを行ってはいけないということです。

このようなトレードを繰り返してもマイナスを積み上げるだけ。最低でも損失と利益の比率が「1:1」でなくては資金が減っていくだけです。

勝率を上げることはもちろんですが、リスクリワードにも気を配ることによって、期待値の高いトレードが可能になります。

ポジポジ病

ポジポジ病とは、常にトレードしていないと気が済まない状態のことです。

トレード上級者が行うスキャルピングとは全くの別物。損失を取り返そうと焦ったり、「上がりそう」「下がりそう」と自身の感覚に頼ったトレードを行っていると陥りやすい状態です。

こうなってしまうとパチンコなどのギャンブルと同じ。

パチンコやカジノでは席に座る=お金を賭けるということですが、FXではチャートを眺めるだけでトレードしないという選択肢もあります。

トレードをしないことは決して機会損失ではありません。むしろ慎重なトレードを心がけることが、期待値の高いトレードに繋がります。

ナンピン

FXにおけるナンピンとは、含み損が出ているポジションをさらに増やすことを指します。

たとえばドル円を1ドル110円で買い、その後レートが1ドル100円まで下がったとしましょう。この時に1ドル100円で追加の買いを入れることがナンピンです。

目的はポジションの平均レートを下げる(売りの場合は逆)ことで、この場合は追加の買いによってボジションの平均レートが105円になりました。

そのため含み損を緩和することができますし、その後反転すれば大きな利益を狙うことができます。

ただこのナンピンは諸刃の剣です。レートが逆行すればするほど損失は拡大します。

よほどしっかりした根拠があった上で追加のポジションを取らないと、損失の可能性が高くなり、とてもギャンブル性の強いトレードになってしまうのです。

マイナー通貨トレード

市場での取引量や取引参加者が少ないマイナー通貨のトレードはギャンブル的要素が高くなります。

なぜなら流動性が低いということは、それだけ価格が急激に変動する可能性があるからです。地政学的リスクや要人の発言などで価格が上下に大きく振れる恐れがあります。

FXの通貨ペアでは基本的に米ドル(USD)、ユーロ(EUR)、円(JPY)、ポンド(GBP)、豪ドル(AUD)、カナダドル(CAD)、スイスフラン(CHF)以外はマイナー通貨と考えていいでしょう。

FX業者によっては様々なマイナー通貨ペアを扱っているところもありますが、マイナー通貨同士のペアのトレードに関しては注意が必要です。

指標トレード

指標トレードとは、重要な経済指標の結果を予測して指標発表前にポジションを取るか、もしくは指標発表後の動きに合わせてポジションを取るトレードのことです。

予測してボジションを取るというのはギャンブルそのもの。

また指標発表後の動きに合わせてトレードするというのも、急激にレードが動く場合には損切りや利確のタイミングが難しく、確実なトレード手法とは言えません。

特にアメリカの雇用統計やFOMCによる政策金利発表の際にはレートが激しく動きます。

トレードしたくなる気持ちもわからくもないですが、かなりギャンブル的な要素が高い危険なトレードです。

ハイレバトレード

ハイレバトレードとは、高いバレッジをかけてトレードすることです。日本のFX業者は法律によってレバレッジが25倍と決まっていますが、海外のFX業者はそうではありません。

ちなみに海外FX業社の最大レバレッジの例は以下の通りです。

海外FX業者最大レバレッジ
Axiory400倍
BigBoss999倍
exness無制限
FBS3,000倍
FXDD500倍
fxgt1,000倍
FXPro200倍
Gemforex1,000倍
HotForex1,000倍
IFC400倍
iForex400倍
IronFX1,000倍
is6FX6,000倍
LandFX500倍
TitanFX500倍
TradersTrust3,000倍
Tradeview500倍
XM888倍

中にはとてつもないレバレッジのところもあります。

しかしレバレッジが高いということは、多くの利益を得られる反面、それだけ損失も増えるということ。一気にギャンブル性が高まることを意味します。

普段のトレードが途端にギャンブルトレードになってしまうということです。

また海外FX業社の中には出金拒否や呑み行為の噂が絶えないところも多くあります。そういった面でのリスクもありますので、海外FX業者を利用する際には注意が必要です。

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FXをギャンブルにしないための方法

FXをギャンブルにしないためには、ギャンブルトレードを行わないことはもちろん、トレードスキルそのものを磨く必要があります。

そのための方法を見ていきましょう。

トレードルールを決める

トレードに一定のルールがない場合、自然とギャンブル的要素の高いトレードが多くなってしまいます。確実なトレードを積み重ねるためにもトレードルール作り、それを徹底して守るようにしましょう。

決めるべきルールはたとえば以下のような事柄についてです。

  • トレード手法
  • エントリーのルール
  • 損切りのルール
  • 利益確定のルール
  • 資金管理

ルールがあればそこに感情が入る余地がなくなります。すなわちギャンブル的なトレードもなくなるということです。

どのFX業社にもデモ口座がありますので、まずはデモトレードでルールを試してみることをおすすめします。

トレード日記をつける

トレード日記は自分のトレードを仮説検証するために必要なものです。トレードを客観的に振り返ることによって、自分の癖や強み・弱みといったものが見えてきます。

自分でも気づかないうちにルールを破り、ギャンブル要素の強いトレードをしていることに気づくこともあるでしょう。

トレード日記の書き方は人それぞれですが、最低限次の項目は入れることをおすすめします。

  • トレード日時
  • 通貨ペア
  • ロット
  • エントリーポイント
  • エントリーの根拠
  • 利確or損切りの位置とその根拠
  • トレードの反省

これらの事柄を検証することによって、ギャンブル性を排除するだけでなく、トレードルールを最適化するのにも役立ちます。

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自動売買(EA)によるトレード

FXをギャンブルにしない方法として、自動売買によるトレードを行うこともひとつの手段です。

トレードルールを破ってしまったり、わかっていてもギャンブルトレードをしてしまうのは、そこに人の感情があるから。自動売買であれば、そこにあるのはプログラムに基づいたアルゴリズムのみです。

今では多くのFX業者で自動売買ソフト(EA)を利用することができます。運用成績も確認できるようになっており、まずは少額から運用を始めればリスクも少なくて済むでしょう。

プログラムの知識があるのならEAを自作するのもありです。感情がトレードの邪魔をしてしまう場合には、自動売買という選択も考えてみてください。

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国内FX業者を利用する

前述したように、海外FX業者のハイレバレッジのトレードにはリスクがあります。

ここでもう一度FXにおける期待値の計算式を見てみましょう。

FXの期待値

(勝ちトレードの平均利益×勝率)-(負けトレードの平均損失×負率)

ハイレバレッジのトレードをするということは、勝ちトレードの平均利益が上がるのと同時に、負けトレードの平均損失も上がるということ。

つまり、もしトレードスキルが上がらないまま海外FXのハイレバトレードを行ったなら、期待値はそのままで変動する金額だけが大きくなるということです。当然、資金を失うリスクも増大します。

したがって、ギャンブル性を排除するなら国内のFX業者に資金を集中させることをおすすめします。特にFX初心者こそ海外FX業者は避け、国内のFX業者を利用すべきでしょう。

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まとめ

ここまで見てきたようにFXはギャンブルではありません。

FXをギャンブルするかしないかは自分次第。ギャンブルトレードを避け、ルールに基づいたトレードを行えば、FXは十分に投資になり得るものです。

まずはトレードルール決め、トレード日記をつけるようにしましょう。

そして忘れてはいけないのが国内のFX業者を使うこと。適正なレバレッジで自分のルールに基づいたトレードを行ってください。

猪首顧問のFXコラム:マーケットの仕組みから考えるギャンブルとFXの違い

本稿記事での冒頭で「FXはギャンブルではない」と結論付けていますが、監修者としての私もまったく同じ理解です。

本稿記事ではFXを行う際、ギャンブル的にしないための具体的な取引方法や考え方を中心に書かれていますが、私からは別の観点からFXとギャンブルの違いについて追記させていただきます。

両社(FXとギャンブル)の大きな違いは、「実需」があるかどうかだと考えます。

ギャンブルの世界では、限られた場所で、限られた参加者のみが金銭を出しあって、その参加者の中だけでの金銭の取り合う「ゼロサムゲーム」であり、社会的に何の影響力や貢献力も存在しません。

対してFX取引の元市場である外国為替市場では、値動きによって発生する投機的利益を追求する投機家(スペキュレーター)の存在もありますが、その前に為替取引を実業として必要としている存在が多くいるということです。

猪首 秀明

具体的には、金融機関、貿易会社、メーカー、機関投資家、等々・・・・・・・

こういった、実需のニーズに応えるため、マーケットが健全な場所であるために必要なのが、流動性(取引量の多さ)です。

我々、個人参加者は投機家として流動性(ボリューム)を提供している訳であり、外国為替市場が健全な場であることに貢献しているわけです。

ギャンブルの場では、参加者全員が勝つことを第一目標に参加しているわけですが、外国為替市場における実需筋は、値動きによる投機的利益の追求が目的ではありません。

猪首 秀明

ギャンブルには必ず勝者と敗者が生まれますが、為替における実需筋はビジネスの一環として決済通貨やヘッジ取引を必要としています。

これについては表現が大変難しいのですが、誤解を恐れずに言うなら、トレードとしての勝ち負けに関係なく流動性を提供してくれるのが「実需」という存在です。

外国為替市場においては、個人投資家が全部勝って、実需筋が負けるということも起こりえるのです。

トレード論とは全く異なる観点からの、FXとギャンブルの違いについてお話ししてみました。
マーケットの仕組みと理屈を知ることで、個人投資家にとってFXはより勝てる可能性がある世界だと理解していただけるのはないでしょうか。

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この記事を書いた人

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